電力の自由化ってなんですか?
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電気・電力の話題
みなさん、ニュースでご存知の方もいいかと思いますが、電力の自由化が2016年から開始されます。
実は高圧(6600V)で引き込みを行っている自家用電気工作物の受電に関しては2000年からすでに自由化が始まっております。
(弊社が代理店になっている新電力イーレックスは高圧の電力自由化によって成り立っています。)
これを一般家庭や小さな会社などで使用している、低圧(従量電灯や低圧電力)でも自由化をしようということで
ニュースになっているというわけです。
なぜニュースになっているかというと、関東では現在、低圧の電気は東京電力からしか購入することができないからです。
これが自由化となると東京電力以外の電力会社からも電気を購入することができます。
ということは自由に電力会社を選ぶことができる →電力自由化 ということなのです。
現在電気を供給している一般電気事業者(東京電力・関西電力・中部電力・などの各地の電力会社)
以外の新しい電力会社は総称して新電力と呼ばれています。
電力自由化により電力会社間で競争が生まれ、電気料金を下げることができるのではないかといわれております。
さて、そうなると皆さんが一番に感じる心配事があります。
電力会社を変えると停電が起きやすくなるんじゃないの??
これは高圧電力の自由化でも一番多く寄せられる問い合わせです。
電気が止まるということは一大事。空気のように使用している電気ですから、停電が一番利用者にダメージがあります。
電気の安定性は価格よりも重要であるということは間違いありません。
では実際に東京電力以外の新電力に変えても安定性は大丈夫なのでしょうか???
先に、結論を申しますと、電力会社を東京電力から新電力に変更した場合でも、停電が発生する可能性は変わりません。
東京電力を使用しているAさんと、別の電力会社から電力を購入しているBさんでは停電のリスクは平等です。
そういわれてもあまりピンとこない方も多いでしょう。
発電会社は違うのに、なぜこういったことが起きるのでしょうか?
上記で、現在関東では東京電力から電気を購入している(購入できない)と書きました。
これは正確に言うと、
東京電力が発電した電力を東京電力の送配電網を利用して購入している
というのが正しい言い方です。
そして、電力自由化により電気を別会社(仮にビリビリ電力とします)から購入する場合は上記表現はこうなります。
ビリビリ電力が発電した電力を東京電力の送配電網を利用して購入している
そうです。電力自由化によって発電する電力会社を選択することはできますが、
山奥から自宅まで遠路はるばるやってくる電気の道路(電線網)は従来通り東京電力の電線を使用するのです。
つまり、新電力に切り替えた場合でも、自宅に届く電力は東京電力から購入していた電気と変わらないのです。
電気は変わらないし、自宅に届く経路(送電線・配電線・電柱・電線・すべて)も変わりません。
結果、安定性も変わらないということになります。
仮に新電力の発電設備がトラブルで止まってしまったとします。
しかし電線網にはいろいろな電力会社が発電した電気は流れ続けています。
そのため、自宅に届く電力が止まることはなく、発電所が止まったことすら気が付かないでしょう。
(もちろん、止まってしまった新電力には何かしらのペナルティはあるでしょうが、ユーザには関係ありません)
発電会社を変えるというのはあくまで書類上の手続きしかありません。
物理的なものはいままでと何も変更はないのです。
唯一変わるのは電気料金の支払い先が東京電力からビリビリ電力に変わり、
ビリビリ電力が設定した電気料金で毎月請求が来るということになります。
電力自由化によって、
さまざまな会社がサービスを開始すると思われます。
特にさまざまなインフラ会社がここぞとばかりにユーザーの囲い込みを行ってくると思います。
携帯電話3社、ケーブルテレビ、ガス会社、家電量販店、ホームセンター
参入が考えられる会社はたくさんあります。
参入する会社が多ければ多いほど、競争が高まりますのでいいことだと思います。
皆さんの環境において一番お得になるサービスを選択できればベストですね。
電話の自由化が数年前にありました。
NTT以外にKDDIなどたくさんの電話会社が立ち上げ、
NTT回線を使ってユーザー取得に乗り上げていましたね。
帯電話の普及などの影響もあり最終的にはNTTとKDDIくらいしか残りませんでしたが、
電力競争はながく競争を続けていただきたいものです。
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