※ はじめに ※
以下の内容はPanasonic、東芝、三菱等が採用している新規格の口金(JEL801規格、Gx16t-5、L形ピン)を使用した
直管LEDランプには適合いたしません。上記製品は対応器具への交換が必要となります。
本説明は従来の蛍光灯口金であるG13口金、R17d Rx17dを利用した直管LEDに関する説明となります。


直管蛍光灯型LEDの器具工事とは? 工事不要LEDの問題点


直管蛍光灯型LEDをインターネットで探していると
”電気工事士による工事が必要です”や”工事不要で取り付け可能”など工事に関する注意事項が書いてあります。
「蛍光灯の交換ならいつもやっているから頼まなくてもできるよ」と思われる方もいるかもしれませんが、
この工事とは単純に蛍光灯を取り換えるだけの工事のことではありません。

バイパス工事

これらの工事は蛍光灯が使用している安定器の取り外しを行う工事のことを言います。
この工事のことを、一般的にはバイパス工事、または直結工事と呼ばれています。

蛍光灯はすべての器具に安定器という装置が備わっています。
グロータイプ・ラピッドスタートタイプ・インバータータイプ、詳細な動作は異なりますが、
必ず安定器はすべての器具に搭載されています。

この安定器は蛍光灯を発光、明かりを安定化させるために動作ために必要な装置なのですが
LEDを発光する際にはこの安定器は全く必要ありません。

LEDは直流動作ですので、交流を直流に変換する電源部が必要になりますが、(AC-DCアダプターのようなもの)
現在は電源部をランプ内部に搭載している直管LEDランプ(電源内蔵型)が多く販売されています。
電源内蔵型は100Vまたは200Vの電圧をランプに直接印加(電圧をかける)することで点灯しますので
バイパス工事にて安定器を取り外し、LEDランプ対応の配線に変更する工事を行います。

※安定器は回路的に取り外せば問題ありません。物理的に取り外す必要はありません。通常は器具内に残置します。
※電源部外付けタイプのLEDランプの場合は安定器を物理的に取り外し、専用の外付け電源を取り付け配線工事を行います。

弊社では電源内蔵型のランプを取り扱っておりますので
以降、電源内蔵型についてご説明いたします。


最近では安定器を取り外さない工事不要直管蛍光灯型LEDも販売されておりますが、
弊社ではあまりオススメしておりません。詳しくは後述致します。


※照明器具をバイパス工事することによりメーカーの保証が受けられなくなります。
ただし安定器交換も照明器具改造とみなされ同様にメーカーの保証が受けられなくなります。
バイパス工事も安定器交換もメーカー保証外となります。
東芝ライテック 安定器の交換について こちら

LEDランプ(電源内蔵型)ごとに異なるバイパス工事



 バイパス工事の方法は直管蛍光灯型LEDの種類によって複数あります。
 どの方法でバイパス工事を行うかはメーカによって異なりますので、工事を行う前には必ずメーカに確認をとる必要があります。

 1.片側給電方式
 2.両側給電(片ピン接続)方式
 3.両側給電(両ピン接続)方式
 4.両側給電(片側給電ダブル)方式
 5.その他特殊な例  


 ※注)2015/6 1~3の呼び名を一般的なものに変えました。4は新しい方式なので名前を付けました。

1.片側給電方式 ※ほぼ主流になってきています。
 
 1の片側給電方式は、蛍光ランプの片側のピンにそれぞれ+-の電圧を印加する方法です。
 (交流なので正確には+-ではなく、L,N(100Vの場合)で表します。しかし電源内蔵の場合は極性はどちらでもいい場合が多いです。)

  
2.両側給電(片ピン接続)方式 ※昔は主流でしたが、今は減ってきています

 2の両側給電(片ピン接続)方式は、蛍光ランプの片側の1ピンに+(L)、もう片側の1ピンに-(N)を印加する方法です。
 



3.両側給電(両ピン接続)方式 ※アイリスオーヤマなど一部メーカーにて採用

蛍光ランプの片側の両ピンに+(L)、もう片側の両ピンに-(N)を印加する方法です。

 
※110型の両側給電は注意が必要。
一見、両側給電③に見える場合でも片側給電ダブル④の場合があります。
2つの方式は電気的に全く異なる接続方式となります。誤った方式のランプを接続すると回路のショートなどが発生する可能性があります。


4.両側給電(片側給電ダブル)方式 ※110形で使用する場合があります。
 片側+-(NL)。反対側にも+-(NL)を印加する方式。片側給電を両口金に配線しています。
 一見、両側給電と似ていますが、給電は片側ソケットで独立しているので電気的には全く異なる配線となります。
 最近110型で見かけるようになりました。40型ではあまり採用されていないようです。
  
※110型の両側給電は注意が必要。
一見、片側給電ダブル④に見える場合でも両側給電③の場合があります。
2つの方式は電気的に全く異なる接続方式となります。誤った方式のランプを接続すると回路のショートなどが発生する可能性があります。

(5)特殊な例 片側給電 (オーデリックやフィリップス)

電圧は片側給電ですが、配線は両側給電片ピンに配線をし、あまった片ピンを短絡させます。
これによりランプの向きを問わず取り付けることができるようになります。



直管蛍光灯型LEDのバイパス工事はこの5つの中のランプに適した工事を行う必要があります。
この工事を電気工事士による工事と呼んでいるのです。

照明器具を改造することになりますので、本来のメーカーの保証は受けられなくなりますが。
照明器具の一番の不安要素である安定器を回路から切り離すことができますので、
その後も問題なく安全に使用する事ができます。
(ソケットの老朽化が激しい場合は、ランプ落下の可能性があるので注意)

正しい方法で工事を行わないと、感電の危険や、器具の破損の危険性がありますので、
必ず電気工事士の資格を持った方が作業を行います。
これは法律で決められていることですので必ず守るようにお願いいたします。

ちなみに現在一番多く流通している製品は片側給電方式のタイプのように思えます。

一度LEDは装着してしまえば頻繁に交換することはありませんが、
なにかの不具合で新しいLEDに交換する必要が発生した場合は
製品の種類の多い片側給電方式でバイパス工事を行っておけば、今後の選択の幅は広がります。

バイパス工事のメリットと注意事項は?

上記バイパス工事をしてLEDを導入することのメリットは
既存照明器具が使用できるので、器具ごと交換するよりも導入費用が安くできる点です。

通常の照明のリニューアルの場合、今ある照明器具を撤去して新しい照明器具を取り付けます。
器具が新しくなってとてもきれいにリニューアルを行うことができますが、
一方、大量の照明器具の廃棄物が発生してしまうという側面もあります。

環境のためにLEDにするのに、大量の廃棄物を排出するのでは
本末転倒と考える方もいらっしゃると思います。

その点、直管LEDランプは照明器具を再利用して利用することができるので、
環境面でエコロジーなLED照明といえることができると思います。

安定器はバイパス工事により使用しませんので、
古い安定器特有の音(ブーン・ジジジジという不快音)がしなくなり、
安定器故障による影響は受けません。

なお、照明器具のバイパス工事後は一般の蛍光灯は取り付けることができません。
工事後にLED専用器具になった旨を表すシールなどを貼り誤って蛍光灯を取り付けないように明示することが必要です。

既存器具を使用することによる注意事項としてあげられる点としては、ランプの落下に関する問題です。
LEDランプは蛍光灯よりもすこし重いのですが、500g以下のものを選ぶようにします。(40型の場合)
500gはG13ソケットの規格で決まっている重量で、これ以上の重量のものは規格外となり落下の可能性が高くなります。
※最近は蛍光ランプとあまり重さが変わらない300g以下のランプもあります。

落下事故を防ぐために、ソケットに破損がなく、ランプの支持に問題がないことを確認することが必要です。
ソケットが汚れている場合は布などで拭き取りヒビなどによる破損がないか目視で確認します。
またランプ取り付け時に軽く揺さぶったりして落下しないことを確認してください。
この時ソケットに問題があるようであれば、ソケットの交換など検討が必要です。

110Wの大きなランプは落下防止パーツの取り付けの検討が必要です。
40Wの場合は防止落下金具とはいかずとも、
仮にソケットから外れても下に落下しないような補助対策を行うことは可能です。
たとえばこのような方法があります。

※ランプの外装にガラスではなくポリカーボネートという素材を使用しているものは
万が一落下しても飛び散りなどを防ぐことができます。

上記内容をまとめると、

●バイパス工事によるメリットは

・照明器具を再利用できるので少ない投資でLED化することができる
・リニューアルの際にゴミを最小限に抑えることができるので、エコロジーであり、経済的である
・安定器の壊れた器具(壊れてはいないが騒音を発する器具)でもソケットに問題がなければLED化可能。

●デメリットは

・バイパス工事後は元の蛍光灯を使用することができなくなる。(LED工事済みであることを明示する必要がある)
・取り付け時にソケットに破損がないか確認して、取り付け可能かどうか確認する必要がある。
 (場合によっては落下防止策をおこなう)

となります。


■器具を交換するという選択肢も、もちろんあります。


蛍光灯器具が古い、または破損している。もしくは照明器具毎交換して見た目もリニューアルしたいということであれば
照明器具の交換によるLED化が可能です。
直管タイプから進化した新しいタイプのLEDベースライトが今では主流となっております。
直管タイプと同様の明るさと配光ですが、器具の厚みが薄く天井の見た目がすっきりします。

公共事業での採用も増えており、今後のスタンダードになることは間違いありません。

Panasonic iDシリーズ
遠藤照明SolidTube など

※照明器具の交換になります。従来器具に比べ器具の厚みが薄くなっているので、吊ボルトの調整が必要な場合があります。


工事不要の直管形LEDランプとは


最近、工事不要のLEDランプがたくさん発表されています。
先程お話したように、
本来LEDランプを使用するには安定器を取り外しLEDに適した配線に変更する工事が必要になりますが、
この工事をしなくても、今の安定器を経由したままで使用できるランプが工事不要の直管LEDランプです。

工事不要のLED蛍光灯で一番懸念される事項は、安定器をそのまま使い続けることにあります。

安定器が接続されたままの場合、以下のような問題点があります。
以下は工事不要LEDランプを使用する際のメリット・デメリットです。

●メリット
1、導入時の初期投資費用を節約(工事費用の節約)を行うことができる
2、工事をしていないので、従来の蛍光灯に戻すことができる(賃貸オフィスなどでは有効)

●デメリット

1、安定器が余分な電力を使用している。
   LEDランプには安定器は不要です。不要なのにLED電球1個分くらいの電力を消費しています。
   省エネなLEDを導入しても、安定器の消費電力がランニングコストに大きな影響を与えます。 

2、安定器の寿命と安全性のリスク
   従来の蛍光灯の場合、安定器が不良になると、異音を発したり点灯に影響が発生しますが、
   LEDランプの場合は安定器に不具合が発生してもそのまま点灯してしまう可能性があります。
   そのため故障に気がつかずに使用し続け、最終的には安定器が発火する恐れがあります。
   安定器故障時の動作が予想できない状態で利用し続けるにはリスクがあります。
   新たな安全性の問題が発生する可能性があります。

3、安定器が完全に壊れた場合、LEDランプは正常でも点灯しなくなる。
   寿命の長いLEDランプですが、安定器が完全に壊れてしまえばLEDランプは点灯しません。
   LEDを検討されるお客様はすでに照明器具を10年以上使用しているお客様が多いです。
   LEDにしたからと言って安定器の延命が行える訳ではありませんので、いつ壊れるか予想はできません。
   
いつかは電気工事が必要となります。場合によってはLEDを別の製品に交換しなければいけないかもしれません。
   
   工事不要型の言う長寿命は、”安定器が壊れなければ”という条件付きのLEDとなります。


4、工事タイプのランプに比べ電源回りの回路が複雑になるため、電源部の寿命がLEDの長寿命に影響を与える可能性があります。
  電源部故障による不点は工事タイプも工事不要タイプも同じことが言えますが、回路の複雑さによる故障率の影響がないとは言えません。

5、様々なタイプがあり、取り付ける器具に適応したランプを選択することが困難。間違えると火災事故につながるケースも。
  
  ・グロー型のみ対応
  ・銅鉄式安定器グロー・ラピッドのみ対応
  ・インバーターのみ対応
  ・スイッチでFL,FLR切り替えを行う必要があるもの
  ・安定器のメーカー指定があるもの

  どのタイプの直管LEDを使用したらいいか、分かりますでしょうか?
  専門家でないお客様では判断が難しいのではないでしょうか?
  またすべての照明器具の安定器型番を把握していますか?
  過去に安定器故障により安定器の交換はしていませんか?
  交換時に銅鉄からインバータになってたりしませんか?(特にFLRのランプを使用している場合)
  ランプフリーという、どの蛍光管でも点灯できる器具もあります。
  いま使用している蛍光管の型番だけで安定器の種類を判断できません。

  誤った使用法により、発火などの事故が発生する可能性があります。
  
あかりがついたからOKではありません。十分に注意が必要です。


6、責任の所在が不透明。

  工事不要LEDを使用した際、安定器が原因で事故が発生した場合、既存の照明器具メーカーは責任を取ってくれません。
  (バイパス工事をした照明器具も責任を持ってくれませんが、安定器を使用しないのでそもそも安定器事故は発生しません。)
  では工事不要型LEDを販売しているメーカーはどこまで責任を取ってくれるでしょうか?
  ランプ本体に起因する事故はメーカーに責任があると思いますが、安定器の事故は責任を取ってくれない可能性が高いです。

  
結果、工事不要型LEDを導入した際の”安定器を使い続ける責任”は、お客様にあると言うことになります。
  これは安定器を新品に交換したとしても同様です。


※照明器具をバイパス工事することによりメーカーの保証が受けられなくなります。
ただし安定器交換も照明器具改造とみなされ同様にメーカーの保証が受けられなくなります。
バイパス工事も安定器交換もメーカー保証外となります。
東芝ライテック 安定器の交換について こちら


バイパス工事はLED導入の初期投資費用として工事費用が発生いたしますが、
後々のランニングコストと安全性を考えると、バイパス工事せず古い安定器を使い続けるリスクは大きいと考えています。
安定器が壊れたらバイパスを工事をするという選択もあり得ますが、(ただし両方に対応しているランプの場合に限る)
安定器のバイパス工事の有無を管理する必要があり、後々の照明器具の管理が煩雑になるでしょう。


工事不要というメリット・デメリットをメーカーがあまり説明していないので
この場をお借りしてご説明させていただきました。

オフィスが賃貸で器具の工事を行うことができない場合は、工事不要LEDランプで代用するのも
1つの方法かとは思いますが、あまりオススメは致しません。
安全かつ効率的に省エネを行うには、ビルオーナーなどにお話をしていただいて
器具のバイパス工事、あるいは照明器具の交換を行うことをお勧めいたします。

ご参考にこちらのページの動画もご覧下さい



まとめ


長々と文章を書かせていただきましたが直管LEDについて、まとめさせていただくと、
工事不要型は、工事費用がかからずにリーズナブルに導入が可能ではありますが様々問題がございます。
誤った取り付け方法による事故の発生。安定器の余分な電力消費、安定器故障による不点灯の可能性、責任の所在など。

上記の内容から、工事型で安定器を取りはずす製品をお勧めいたします。
工事費用はかかりますが、こちらのほうが安全で省エネ性能を十分に発揮できます。

※バイパス工事が必要な直管LEDランプは、安全性は確保できるとはいえ、
残念ながら国の認証機関からのお墨付きをもらっている訳ではありません。
この点が心配な場合にはPSEマーク(電気用品安全法)を取得したLED照明器具に交換することをお勧めいたします。



また、できれば長期(3年~5年)の保証があり、
照明または家電業界で実績のある、メーカーの製品を選ぶことをお勧めします。
(メーカー不明な製品や出所不明のOEM製品などは避ける)
LED照明は蛍光灯のような消耗品ではなく、非常に寿命の長い製品です。
仮に故障してしまった場合にきちんと保証してくれるメーカーであれば、万が一のことがあっても、とても安心です。
上記のメーカーであればサポートセンターがあり、トラブル対応にも柔軟に対応してもらえます。

保証がない、保証が1年程度では、故障してしまった場合に負担をするのはお客様です。
安い製品を選択したばかりにすぐに故障ししかも保証もなく、
すべてお客様の負担で修理交換をしなければいけないことも十分あり得ます。

電気製品である以上、初期不良や故障のリスクは0ではありません。
初期不良が発生した時にもメーカーの対応が問われます。

LED照明は従来の蛍光灯とは違い消耗品の使い捨てではございません。
10年使用することを考えて、正しい製品選びをしていただければと考えております。

※読みづらい文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
   分かりづらい点や誤解を与える点などがありましたらご指摘ください。


直管LEDに関する情報はこちらをご覧ください。




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