■LED化のメリット 最大のメリットは電気料金の削減。

LEDを導入することのメリットは多くありますが
最大のメリットは消費電力の削減です。

LEDは従来の光源(主に蛍光灯や水銀灯)に比べて、半分以上の消費電力を削減することが可能です。
しかも明るさは従来のものとほぼ同じです。
LEDは目に見えて電気料金を削減することができますので、各企業はこぞって蛍光灯からLEDに変更をしています。

蛍光灯1本当たりの電気料金はご存知でしょうか?
蛍光灯はだいたい40Wの物を使用する事が多いと思いますが、
40Wの蛍光灯を1本1時間使用すると、約1円です(1KWh27円で計算。正確には1.08円)

たかが1円! と思わないでください。
仮に蛍光灯100本使用していて1日11時間点灯。1か月22日出勤とすると、1か月の電気料金はなんと24,200円です。
これが1年間で計算すると、なんと290,400円です。
いかがでしょうか?たかが1円と言えますでしょうか??
企業において電気使用量の電灯が占める割合は意外と多いものです。
LED照明を導入することにより、この電気使用量を削減できるのが最大のメリットです。

LED導入による主なメリットは以下の通りです。


・消費電力の大幅削減 効率がいい製品で60%~67%程度まで削減が可能。

・長寿命であるため、長期にわたりランプ交換作業が必要なく廃棄も不要。

・即時点灯。スイッチ回数による寿命劣化はなし。水銀灯では即時点灯が大きなメリット。

・ランプから放出される紫外線が少ない。商品の色あせなどを防ぎ、虫を寄せ付けを削減できます

・水銀を使用していないので環境にも安心です。

・温度が低い場所で一定の照度を確保することができます。

 

電気料金削減以外にもLEDを導入することによるメリットはあります。
とくに点灯時間が早い点などは、水銀灯ランプを使用している環境ではメリット大です。
検討しなければいけないことは導入の際に初期費用(工事費用とランプ費用)がかかってしまうことでしょうか?
しかし、LED導入による電気料金の削減量が大きいので、LED照明を導入したほうがトータルでみるとコストを削減することができます。
最近のLEDでは導入から3年程度で元が取れるようになってきています。
(導入するランプの種類や、日々の使用状況や導入工事により異なります。)

ではLEDを導入の一番のメリットである電気料金の削減について、
LED化することで実際どれくらいの電力消費が削減できるのでしょうか?
電気は照明だけで利用しているわけではなく、建物全体で使用しています。
建物全体の電気消費の中で照明の締める割合を知ることが必要になってきます。

もちろん、建物ごとに異なるので、一概にお答えはできないのですが、
参考になるデータがございます。

LEDの消費電力は現在の技術のLEDを使用すると従来の蛍光灯の消費電力の60%以上の削減が可能です。
これを各企業の分野別で比較してみると、l

●参考:全電力消費の内照明が締める割合 資源エネルギー庁の統計で、業種別における電力消費の割合が公表されております。

 

 照明の割合は24%なので、LED化で14%程度削減可能


照明の割合は26%なのでLED化で15%程度削減可能


照明の割合は24%なのでLED化で14%程度削減可能


照明の割合は照明37%なので LED化で22%程度削減可能


照明の割合は照明31%なのでLED化で19%程度削減可能
 

照明の割合は29%なのでLED化で17%程度削減可能


照明の割合が69%なのでLED化で41%程度削減可能
 

これは統計データではありますが、照明の締める割合を参考頂ければと思います。

もし建物全体の蛍光灯本数とおよその点灯時間がわかる場合は、より具体的な数値で計算してみましょう
蛍光灯が100本設置してある店舗で、1日10時間、1年間で300日照明を点灯していることを想定します。
(電気料金は低圧受電で1KWh27円として計算します。)

●蛍光灯(FLR40Wの場合)
消費電力40W×本数100本×10時間×300日×27円÷1000=324,000円

●LEDランプ(40型2000ルーメン程度、消費電力13W程度)
消費電力13W×本数100本×10時間×300日×27円÷1000=105,300円

1年間の電気料金が32.4万円から10.5万円に削減ができます。67%以上の削減率になります。

以上のことから
電力経費削減にLED照明化は大きな効果があると言えます。LED導入の最大のメリットです。
これからの照明は是非LEDを選択をしてみてください。今後すべての照明はLEDへと変わっていくでしょう。


LED化の間接的な(隠れた)メリットについて

また、LEDを導入する際の隠れたメリットがあります。
それはLEDを導入することで空調の消費電力を削減できるということです。。
なぜLED化することで空調の省エネにつながのか?

それは、従来の蛍光灯はとても熱い熱源であったためです。
蛍光灯は点灯している際は手で触るとやけどするほど発熱しています。
この発熱は周囲の温度を高め、冷房の機器を悪くしている原因の一つでした。
LEDはほとんど発熱はありません。(すこし温かいくらい)
そのため、蛍光灯熱源による空調の妨げがなくなりますので
LEDを導入することで空調機器の消費電力を削減できます。

照明器具の多いスーパーなどでは、空調機器の消費電力を20%も削減できた例があります。
これはLED照明化することによる間接的な省エネ効果です。

そして、もうひとつ。
高圧電力契約(自家用電気工作物)のお客様の場合ですが、
LED化することで、電力契約のデマンド値を抑えることができる可能性があります。

電力消費の中で照明の締める割合は比較的大きなものです。25%~30%程度は照明で電力を消費しております。
仮にこの照明の消費電力が半分になったら、
デマンド値の10%くらいの範囲で節減できる可能性があります。
条件によって異なるとは思いますが、電力消費量の削減がデマンド値を下げる効果があるのは事実です。

上記ことから、LEDを導入することで様々なメリットを得ることが可能です。

LED照明は、蛍光灯に代わる直管LED、LED一体型照明器具、ダウンライト、水銀灯など様々なタイプのものが販売されています。
いまでは建物すべての照明をLEDにすることも可能です。
LED製品は今はたくさんの製品が発売されています。
LED製品を導入して消費電力の削減を行うためには、品質がよく、効率がよく、そして価格の安い製品を選ぶ必要があります。

次では、実際にLED製品を選ぶにあたってポイントとなる点をご説明いたします。

どのような製品を選ぶべきか考える

実際にLEDランプを選ぶ際に気をつけるべきポイントは何でしょうか?
ここで重視するべき点は、現状の明るさや光の品質を維持しつつ照明の消費電力を下げるということです。

性能品質の悪い製品を選ばないよう、
いくつか要点がありますので、ここで解説させていただきたいと思います。

①ランプ・器具のルーメン(明るさ)を確認する 光の強さの確認

 ルーメンとは照明の光源の明るさを表す単位で光束を表す単位です。

 LEDはすべての製品でルーメンでの表記がされています。
 この数字が大きければ大きいほど明るい光源ということになります。

 従来の40W型の一般蛍光灯の場合、ルーメン数は3000ルーメン程度といわれております。
 3000ルーメンは全周360度に対して3000ルーメンなので、照明器具の上方向を照らしている光も含めてということになります。
 上方向を照らす光は照明器具の反射板によって下方向へ反射されますが、この際かなりのロスが発生しております。
 そのため、実際下方向を照らす光に換算すると、効率60%から70%程度になるのではないかと考えられます。
 ※新品の器具の場合は最初はもっと効率がいいですが、蛍光灯照明器具の効率は年数とともに低下します。
  蛍光灯を新品に交換しても安定器の経年劣化により徐々に出力が下がっていきます。
  新品に交換してもあまり明るくないというのは、この安定器の劣化のためだと考えられます。
 3000ルーメンの60%から70%というと、だいたい1800ルーメンから2100ルーメンです。
 (これを器具光束と言います)

 LED照明は上方向の発光がありませんので、下方向のみに発光します。
 従来の照明器具とは異なり、LEDの効率は95%程度ありますので、
40型の直管LEDは1800ルーメンから2100ルーメンが40型の代替になると考えられます。

 今よりも明るい空間を作りたい場合にはこれよりも大きめ2500ルーメンなどを選択することができますし、
 逆に今ほどの明るさが必要ない場合は、低いルーメンのランプを選択することも選択ができるようになります。

 ただし天井があまり高くない場所(一般の天井は2.5Mくらい)では、光源が目に入ると眩しく感じることがあるので
 不用意にルーメン数を上げることも注意が必要です。天井が高い場合には高いルーメン数も選択肢に入ると思います。

 LEDが一体になった照明器具の場合は、カタログ等に○○相当という記載がある場合が多いです。
 この○○相当という記載を参考に明るさの適した製品を選ぶ必要があります。

 まずは最初に必要なルーメン数を確保できる器具を選択することが重要です。

②ランプ・器具の消費電力(効率)を確認する 光の燃費の良さの確認

 LED化による電力削減の効果を得るには、発光効率のいい製品を選択することがとても重要になってきます。
 発光効率が良い製品とは、一定量の光を発生させるために必要な消費電力が少ない製品(燃費が良い)ということになります。
 発光効率は、明るさ(2000lmなど)を消費電力(W)の値で割ることで求めることができます。(ルーメン/W)

 各機種でランプの明るさと消費電力が異なるので、上記方法で”発光効率”を求めれば製品の性能を比較することができます。
 1900ルーメンのランプで消費電力が12.0W であれば 効率は 158.0ルーメン/W
 2100ルーメンのランプで消費電力が13.0W であれば 効率は 161.5ルーメン/W
 2200ルーメンのランプで消費電力が15.0W であれば 効率は 146.6ルーメン/W

 上記比較では、2番目が一番効率のいい製品ということになります。
 必要な明るさが確保でき、その上発光効率がよい製品を選択することが電気料金削減には重要となってきます。
 ※発光効率が良くても必要な明るさが確保できなければいけません。明るさ第一です。


●直管LEDランプを選択する際の効率の目安(2015年4月現在)190lm/w 業界最高効率なランプ   ⇒ 消費電力は少ないが初期コストが高め。
160lm/w 省エネ効率の良いランプ  ⇒ 初期コスト・ランニングコストのバランスがよく、おすすめ
140lm/w 省エネ効率の良いランプ  ⇒ 初期コスト・ランニングコストのバランスがよく、おすすめ
120lm/w 一般的なランプ       ⇒ ランプ代が安い場合は、初期投資を抑えるにはよい選択だがランニングコストは弱い。
100lm/w 一般的なランプ       ⇒ LEDランプを採用する際は最低限の効率。

※この目安は弊社の取扱い製品を対象にした考えです。
※シーリングライト・LED電球・その他LED器具は上記のように効率は高くありません。


③ランプ・器具の演色性(平均演色評価数)を確認する 光の品質の確認

 LEDランプは全光束と消費電力だけが注目されがちですが、
 演色性(Ra)も照明として重要な要素となります。
 演色性は光の品質を表す1つの指標だと考えるためです。

 演色性とは、太陽の光を100とした場合に、その光にどれくらい近い色の再現性をもっているかを表す指標になります。
 100に近いほうが色の再現の忠実がよく、100以上の値はありません。
 ※平均演色評価数Ra  色の再現性を表す数値で、好ましさを表す指標ではない

 本来の色を表現するために、Raはなるべく高い製品を選ぶようにします。
 事務所などでは70以上、お店などでは80以上、美術館などでは90以上など。
 屋内で使用する照明の場合、
 一般的にはRa80以上を選ぶことが重要になってきます。
 少なくとも70以上はほしいところです。
 美術館など色の識別が特別な場所ではRa100に近いものが必要になります。

 ランプの演色性は必ず確認するようにしてください。
 演色性が悪いと、色の表現が悪く、本来の色とは異なる色合いに見えます。

 例として、演色性の低い光源を使用した場合、
 食品の場合は黒ずんでおいしそう見えない、洋服では、お店で見た服の色あいが家また外だと違う色あいに見えるなど。
 公園で外を照らしている水銀灯は演色性が悪いので、この明かりの下では顔が青白く見えたりします。
 ※本来の色の見え方と違う見え方をしたほうが、好ましい場合もあるかもしれませんが現状ではそれは評価できません。

 LEDは直流の電気を与えれば光ります。チップの数を増やせばそれだけ明るくなります。
 それは比較的簡単な技術なのですが、それではただ光を発するだけです。
 LEDが照明になるためには光の品質(演色性)を高める技術が必要になります。
 演色性は各社さまざまな技術を用いてより自然な明るさを表現するために努力しています。

 RaはLED照明であれば必ず記載があります。
 (片隅に小さく書いてあることが多いので頑張って探してください)

 Raを確認できるかどうかが1つポイントです。

 もし、演色性が仕様として明示されていない、または適切な測定試験が行われていない製品は
 照明として製品にするには品質設計が不十分であると考え、選択を避けるべきだと思います。

 ※ 通販などで販売されている低価格製品はRaの表示がされているものはほとんどありませんでした。
 機器仕様書などを取り寄せ必ず確認してみてください。

 〈 用途と演色性(CIE 1986)〉

④ランプ・器具の色温度を確認する 光の適用の確認

 電気工事でお客様先に訪問すると、蛍光灯の色がバラバラである光景をよく目にします。
 蛍光ランプを交換する際に、もともと取り付けられていた蛍光ランプの色と新しく買ってきた蛍光ランプの色が違うものを購入して
 しまったんだろうなぁと想像がつきます。
 色温度は空間の雰囲気を演出するのにとても重要な要素です。
 製品を選ぶにあたって重要な項目の一つです。

 蛍光管の色の違いは色温度の違いで変わってきます。

 一般的に色温度は以下のように分類されています。

 6500K 昼光色
 5000K 昼白色
 4000K 白色
 3500K 温白色
 3000K 電球色

 感覚として色の違いで明るさの違いを感じることがあります。
 (この色温度は明るさとは本来異なる指標なので、色温度により明るさが変わるわけではありませんが、
 器具によって色温度が低いほうが光量が低くなっているものもあります。)
 昼光色のほうが明るい感じがして、電球色のほうが暗い感じがします。
 昼光色のほうが活発活動的で、電球色は温かみのある色、リラックス的という表現もできると思います。

 従来、蛍光灯は白色が使われることが多かったのですが、LEDになって昼白色が使われることが多いようです。

 事務所などでは基本的には昼白色を選択することが多いと思います。
 白色を使われていたお客様は、今までよりも明るく感じるというのが感想です。

⑤ランプ・器具の保証期間を確認する 

 LEDの寿命は4万時間といわれています。しかし、4万時間後を確認した人はまだいないのではないでしょうか?
 24時間フル点灯したとしても4年半かかるので、製品を開発してから4年半後に発売するのではメーカーは大変です。
 LEDの一般的な寿命を考えると4万時間点灯するはずだと定義していますので、本当に4万時間かは定かではありません。
 だからこそ、ランプのできるだけ長い期間保証期間がある製品をお勧めいたします。
 保証期間がないものはすこし心配ですね。

 ちなみに、LEDランプの寿命は蛍光灯のように突然点灯しなくなるということにはならないようです
 (もちろん故障個所によってはそうなる場合もあると思いますが)
 徐々に暗くなっていくという形で消耗をしていくので、実用としては4万時間以上使える可能性もあります。

⑥ 工事型なのか、工事不要型なのかを確認する(直管LEDを導入する場合)

直管LEDを導入する場合、照明器具を既存のまま使用する方法があります。

この場合のポイントとして、工事型か工事不要型かの選択をする必要があります。
こちらでも解説しておりますが、弊社では工事型をお勧めしております。工事費用がかかりますが、
安全性と省エネ性が確保できます。
工事型の種類として、電源内蔵タイプまたは電源外付けタイプがございます。
どちらの方法も安全性と省エネ性は確保できますが、それぞれ一長一短があります。

電源内蔵型は電源部とランプ部が同一筐体に格納されているので工事が短時間で済みます。
安定器はバイパス(迂回)配線をしますが取り外す必要はないので、安定器の処分は不要です。
(もちろん取り外して処分することも可能ですが、工数と処分費用が別途かかります))
ちなみにいまや一般的になったLED電球も電源内蔵型の部類です。
(電球は安定器は使っていないので工事はしませんが)

万が一故障が発生した場合、電源内蔵型はランプを交換することで
電源部とランプのすべてを交換できるので、特に工事が必要はありません。ランプ交換で対応できます。

ただ、電源部がランプに内蔵されるのでランプの重量が増すという点があります。
G13口金の規格では500gまでとされていますので最低でも500g以下の製品を選びましょう。
落下防止策することで落下事故に備えることができます。

電源外付け型のメリットとしては、ランプが軽くなるので落下事故の恐れが低くなります。
器具内に新しい電源部を取り付けるために安定器の取り外しを行わなければいけない可能性があります。
この場合安定器の廃棄が必要になるのでその分の工数と処分費用も考慮が必要です。

また故障時には電源部の不具合かランプの不具合か切り分けをする必要があります。
電源部の故障の場合、交換のための工事が発生する可能性があります。

放熱の問題で外付けのほうがランプの寿命が長い可能性があるという話もありますが、
正直どちらが長いかは現時点ではまだ分かりません。

総合的にみて、弊社では電源内型ランプをお勧めして取り扱いをしております。

工事不要型の場合は、取り付けは工事不要で簡単ですが、
既存安定器を使用することになるので、後から問題が発生する可能性があります。
(安定器の故障による不点・安定器発火事故・余分な電力の使用など)
また、取り付ける照明器具の種類によって対応する機種が異なりますので、十分に注意してください。
グロー型用・ラピッドスタート型用・インバーター型用とメーカーによって対応が様々で複雑です。
不安であればお店の人に相談などして、慎重に行ってください。


どこからLEDにかえるべき?

すべてをLEDに変える!と一言で言ってしまえば簡単です。
しかし予算などの都合もありすべてを変えるのは難しい場合がほとんどです。

ではどこをLEDに変えるべきか。
それは使用頻度の高い照明からLEDに変えるべきです。

オフィスであれば事務所の蛍光灯。工場であれば工場の蛍光灯、または高天井用水銀灯。
公園などの外灯(夜間常時点灯する照明)
家であればリビングになるでしょうか?

LEDは導入すればすぐにその効果を得ることができますが、
既存光源との比較を考えた場合、点灯時間が長い照明ほうが比較したときの削減量が多くなります。
そのためLEDに交換するメリットをより得られるのは、使用頻度の高い照明をLEDに交換することです。

たとえは、倉庫など必要な時にしか点灯しない部屋の蛍光灯。
たまにしか人が通らなく、通るたびにスイッチをONOFFする通路の蛍光灯。
これらは優先順位は低いです。交換しても元を取ることが難しい可能性があります。
(常時ONにする必要がある通路はLED化およびセンサ付LEDなどを利用すると効果的です)

また、直管LEDの場合は20形LEDは40形LEDに比べてコストパフォーマンス(機器の費用)があまりよくありません。
40型はLEDにするけれど20形は蛍光灯のままで行くという選択もありだと考えています。

また電球(白熱球・ハロゲン)に関しては、LEDとの消費電力の差がとても激しいので、
点灯時間が短い場合でもLEDに交換するメリットは十分得られると思います。
使用頻度が少ないのであれば蛍光灯型電球を採用する方法もあります。

Q&A

Q1、どんどん新しいLEDが発売されて購入するタイミングがわからない

A1、LEDは常に進化しており高効率のLEDが販売されこれからも進化していきます。
   しかし、新しい製品の登場を待っている間の電気料金を考えると、
  現時点で最新のLED機器を導入するほうが将来的に得をすることが立証されています。

  1年後に出る製品を待っていた場合と、今最新のLEDを導入した場合、
  電気料金のメリットが出るのは10年以上も後になるといわれています。
  1年待ったからと言ってLEDの製品寿命が終わるまでに電気料金的にメリットが出ることはありません。

  早めにLED化することが電気料金削減にはベストな選択です。

Q2、蛍光灯のルーメン数よりもLEDのルーメン数が低いけれど暗くならないのか?

A2、上記のルーメン数のところでも少しご紹介しておりますが、
   蛍光灯のルーメン数とLEDのルーメン数は単純には比較できません。
   蛍光灯は360度発光です。そのため上部に発せられた光は反射板に反射され下方向に放射されますが、
   この時に必ず損失が発生します。

   FLR蛍光ランプは3000ルーメン程度ですが、照明器具に装着した場合に発せられる光は
   元の60%~70%になります。これは器具光束といい、蛍光ランプと照明器具を合わせた光束となります。

   ●器具光束 =  ランプ光束 × 器具効率   

   一方LEDに関しましては必要方向への光の放射しか行わないため、照明器具に装着しても、
   95%以上の効率が出るといわれております。これを定格光束と言います。

   比較対象になるのは、

器具光束 ⇔ LEDの定格光束 の比較になります。

   ランプ光束 ⇔ LEDの定格光束 とはなりませんので注意が必要です。

Q3、LEDを選択する際に何を基準にしたらよいですか?

A3、LEDを選択する際に用いられる指標として、主に2つの表現が用いられます。

   ①円/lm

    1ルーメン当たりの値段です。少ないほうが初期投資が低く抑えられます。

   ②lm/W

    1W当たりのルーメン数。効率を表し、数値が高いほうが燃費のいい製品であることを表します。

    製品を選ぶにはこの二つの指標を組み合わせて検討する必要があります。
    ベストな選択は、①が低く、②が高い製品です。製品価格が安く且つ効率のよい製品ということになります。

    複数の製品を比較する際にはこの値を用いて、比較するとわかりやすいと思います。

    ただし、定格光束の近い製品同士での比較を行ってください。
    定格光束の異なる製品では単純に比較ができません。

■LED照明の種類

LED電球が家電屋さんなどで身近に手に入るようになり、数年が経ちました。

LED電球はすでに皆さんのご家庭や会社などで使用されているかもしれません。

今まで使用していた白熱電球や蛍光灯電球に代わる新たな電球としてすでに定着を始めているのは間違いないようです。

では、電球ではなく、蛍光灯(事務所などで使われている長いランプなど)はどうでしょうか?


各メーカから次々に蛍光灯に代わるLED器具が発表されています。

これらの器具を使用することで、今までの蛍光灯に代わって新しいLED照明に変更することが可能です。

すべての器具を新しいものに交換できればベストですが、設備費用が莫大なものになり、現実的には難しい問題です。

それであれば既存の器具を使用して、低コストでLEDを使用できないか。そういった要望は自然と出てきました。

そのため、器具を交換せずに既存の蛍光灯器具を利用しLED化できるランプも多く販売されています。

・既存の照明器具を使用してLED対応する(G13口金に対応したLEDランプに変更する)

・照明器具ごと交換してLED対応する(JEL801規格に準拠した直管型照明器具に変更する。一体型ベースライトに変更する)
LED対応するにはどちらかの方法を選択することになります。

直管LEDランプの消費電力について

LED電球は白熱電球の約1/10程度の電力で点灯することができます。90%近い節電が可能です。

直管蛍LEDランプはどうでしょうか?

蛍光灯の場合、蛍光管以外にも安定器が電力を消費しているため、40W型の蛍光灯は実際には45W程度消費しています。

一方、LEDランプの消費電力は20W以下です。安定器は必要ありませんので、この値が消費電力となります。

つまりLEDランプを使用すると、50%以上の節電効果があります。(高効率の物では66%程度)

最近は効率が良い製品が増え、一般的な40W型蛍光灯の代替となるLED(2000ルーメン)の消費電力が13Wという製品も登場しております。

数字だけみると電球に比べると節電効果は小さいように感じますが、建物で使用されている蛍光灯の数を考えると、蛍光灯の半分以下の消費電力というのは、結構な省エネ効果が望めます。

特に古い蛍光灯器具を使用している場合、安定器が余計な電力を使用していることもあり、節電効果は大きく感じられると思います。

最近はLEDの効率が良くなってきておりますので、HFをご利用の場合でも消費電力を半分程度削減できる製品が販売されてきました。

LEDの特徴

LEDに共通しての特徴として以下のものがあげられます。

  • ・省エネ : 従来の蛍光灯の約半分の電力消費。ランニングコストの削減が可能
  • ・長寿命 : LEDの寿命は約40,000時間。メンテナンス費用の削減が可能。
  • ・波長の違い: 紫外線を発生しないため、虫を寄せ付けず、きれいに使用することができます。
  • ・環境にやさしい: 水銀を使っていないため、、環境に優しく安全です。

これからの蛍光灯はすべてLEDに変わっていくでしょう。

LED対応するためにどちらの方法を選ぶか?


①既存の照明器具を使用してLED対応する(G13口金に対応したLEDランプに変更する)

 ・G13口金の蛍光灯(40W以下の直管型蛍光灯はこの形です)


 現在発表されている直管LEDランプの多くは、
 直管蛍光灯と同じ形状の口金(G13)になっています。(110WはR17d型)
 そのため、既存器具をそのまま使用してLEDランプに交換ができることが大きなメリットとなっております。
 消費電力の削減だけでなく、器具再利用という意味でも、とてもエコロジーです。 

 安定器の寿命と言われている10年以上使用した器具でも、
 ソケットに異常がなければ器具を使用することができます。
 ただし内部配線のバイパス工事(安定器を回路から切り離し使用しないようにする工事)を行う必要があります。

 中には工事不要でそのまま取り付けられることをメリットにした製品も販売されております。
 工事費用がかからずに導入できるメリットはございますが、長期使用で考えたときに様々な問題があるので、お勧めはしておりません。

 ※バイパス工事は電気工事士の資格がある人でないと行うことはできません。
 ※器具のソケット部に亀裂などの破損が見られる場合には、落下などの危険が発生いたしますので推奨致しません。
  ※ランプのメーカ毎に接続方法が異なります。各メーカに確認をしてください。

 インターネット調べると非常にたくさんの直管LEDが発表されています。
 値段も安いものから高いものまで様々ありますが、
  最近は安価な製品でも高性能なLEDも発表され始めています。
 光の広がり方、ムラの発生、ぎらつきなどの光の品質、ランプ寿命など製品によって品質は様々です。
 実際に目で見て確認するなどして、納得してランプを選択することが必要です。
 各メーカーのショールームがありますので、そちらを利用するのもいい方法だと思います。
 LED照明は東京ビックサイトなどで1年間に数回展示会が行われます。
 実物を見ることもができ、営業と直接話をすることもできます。
 いろいろなメーカーの製品が比較できますのでお勧めです。

 製品の中にはただ値段が安いだけで実用に堪えないLEDランプも存在するようです。 
 価格だけでなく、製品品質を重視した選定が重要になってきます。

 なお、直管LEDランプを選ぶ際、
 事務所などで使用する場合には全光束2000ルーメン程度のLEDランプを選択します。
 2000ルーメンよりも出力が少ないLEDの場合、今の蛍光灯よりも暗く感じると思われます。
 倉庫など、あまり明るさを必要としない場所であれば1500ルーメン程度で問題ないかと思います。

 購入する際には消費電力とルーメンのバランスを調べてから購入するとよいと思います。
 また、寿命が40000時間といわれているLED蛍光灯ですが、万が一短期間で切れてしまうことがないとは言えません。(初期不良など)
 そのためメーカで数年間の保証期間を設けている製品もあります。こちらの製品であれば万が一切れてしまっても安心です。

②照明器具ごと交換してLED対応する(JEL801規格に準拠した直管型照明器具に変更する)

※この規格は2015年現在公共工事では採用されますが、民間ではあまり採用されなくなっています。
 (JIS規格なので公共工事で好まれていると考えます。ですが価格がすこし高めです・・・)
  今後は一体型ベースライトがスタンダードになります。

 LED対応の照明器具の普及に向けて
社団法人 日本電球工業会により、直管型LEDランプに関して新しい規格の発表がありました。
 「L形口金付直管形LEDランプシステム(一般照明用)」

 照明器具を交換してLED対応する場合は、直管タイプの場合この規格に準拠した照明器具に交換をするということになります。
 ※G13に対応したLED専用照明器具もありますので、器具交換=JEL801というわけではありません。

 この規格の概要は以下の通りです。

 ・新ソケット形状の規定

  新しくソケット規格を作ることで、従来の蛍光灯を間違って差したりする事故を防ぐことができます。
  また、片側給電なので取り付け時の感電防止も対策されております。


 ・明るさに関する規定
  G13対応ランプは明るさに関する規定は特に設けられていないので、場合によっては粗悪品を購入してしまう可能性がございますが、
  新規格に対応したものであれば、メーカー間で統一の規格が定められているので、明るさの品質が保証されていることになります。

 この規格の発表により、安全性や照明性能が明確化され、
 購入するお客様にとって安心して購入できるという大きなメリットがあると思います。
 基本的にはどの製品でも一定の品質が確保されているので、
 製品選びに失敗することはありません。

 ただし照明器具を交換するので、コストが高くなってしまうのは否めません。
 また、器具を交換することにより排出される照明器具の廃材も無視できない問題ではあります。

③照明器具ごと交換してLED対応する(一体型ベースライトを使用する)

PanasonicのiDシリーズ
照明器具を丸ごと交換するのであれば、特に直管にこだわる必要はなく、一体型のベースライトを選ぶという選択肢もあります。
LEDの寿命は非常に長いので、従来のように定期的にランプを交換するということはありません。
そのため、ランプ交換のしやすい直管の形状である必要は特にないのです。

照明器具ごと交換するのであれば、LED一体型器具を選択するほうがコストを抑えられます。
また一体型といっても万が一故障した際のランプの交換は可能なタイプなので万が一にも対応できます。

器具交換する場合は直管タイプでなく、一体型ベースライトへ交換する場合が一般的であり
今後、照明器具は一体型ベースライトが照明器具のスタンダードになるものと思われます。

ランプ交換(直管LEDランプ)と器具交換(一体型ベースライト) どっちがいいの?

さて、直管型LEDランプを安定器をバイパスして取り付ける方法と
一体型ベースライトに交換する方法、いまではこの2択から選択すること多いですが、果たしてどちらが良いでしょうか?

●性能面

現在では発光効率に関しては大きな差はなく、五分五分といったところです。

直管LEDランプは、新規参入企業が多く、性能がメーカーによりまちまちなので、機器選定は慎重に行ってください。
効率がよく、配光もきれいな製品がありますので、たくさんの製品を検討することをお勧めいたします。
(※できれば3年・5年の長期保証のあるものを選択してください)

一体型ベースライトは大手照明会社(パナソニック・東芝・三菱など)のため、大きな品質の差はありません。
導入実績なども考えると、無難な選択といえると思います。

●製品価格

価格に関しては同一スペックで考えると
直管LEDランプを採用したほうが価格が抑えられるようです。
ただし、一体型ベースライトの直付け器具の場合は価格がだいぶ安く設定されているので、直管LEDランプとほとんど変わりません。
埋め込み型の場合や下面開放形などの器具の価格がかなり高くなりますので、直管LEDランプのほうが価格面では有利です。

●工事費用と工事の影響範囲

器具交換の場合、既存照明器具の取り付け状況によって作業時間が変動します。
既存照明器具がきっちり(施工説明書どおりに)施工されていれば交換が簡単に行えますが、
現場では吊ボルトの位置が違う・吊ボルトが長い(これは新しい器具が薄い為)・吊ボルトのねじがつぶれててナットが取れない・軽天下地がいない・電線の出す位置が合わない、開口寸法が合わないなど、照明器具のカバーを開けてみて判明することが結構あります。
上記対応をするために、吊ボルトの加工や照明器具の加工、天井ボードの加工が必要になる可能性があり、
ボード開口時にはボード粉などの粉塵が発生します。
そのため食品を取り扱う場所や、展示してある商品を退避できない場合などは、工事が与える影響を考える必要があります。
軽養生(養生シートをかぶせる)であればどの電気屋さんも行うと思いますが、それでは養生が不十分な場合は確認が必要です。

直管LEDランプの場合は蛍光灯のカバーを外してバイパス工事を行うだけなので、どのタイプの器具でもかかる時間と費用はほぼ一定です。
カバーを外す際に器具に積もったほこりやチリが落ちてくる可能性はありますが、軽い養生で対応することが可能だと思います。
器具交換に比べると取り付け工事による周囲への影響は少ないと思います。

●環境面
LEDは省電力でエコロジーということですので、LEDによる経費削減だけでなく、
工事全体を含めて極力環境に配慮した導入を行いたいのは皆さんが希望する事項だと思います。

一体型ベースライトに照明器具を交換する場合は、蛍光管のほかに撤去した照明器具の処分する必要があります。
撤去した照明器具は産業廃棄物という扱いになり、産業廃棄物収集業者に処分を依頼する必要があります、
つまり、器具交換では蛍光管と照明器具の2種類が廃棄物となりそれぞれに廃棄の対応が必要です。
また古い照明器具の場合は安定器のPCB含有の調査が必要になる場合があります(よほど古い器具の場合ですが)
LEDはエコロジーと言いつつも、導入時には多くのごみを発生させてしまうという現実があるのが器具交換の環境面の問題です。

一方、直管LEDランプの場合、工事により廃棄物として発生するのは蛍光管だけです。
照明器具は既存の物を使用しますので、かなり少ない廃棄物で導入を行うことが可能です。
経費削減だけでなく、ごみの排出も最小限に考えられるエコな導入方法といえると思います。
※ただし照明器具は安全に使用できることが大前提です。照明器具に劣化・破損などがある場合には照明器具を交換しましょう。

以上。
良い面、悪い面など、特徴をいろいろ記載いたしましたが、LED選択の参考にしてみてください。

■直管LEDの器具工事とは、工事不要LEDの問題点

直管蛍光灯型LEDをインターネットで探していると
”電気工事士による工事が必要です”や”工事不要で取り付け可能”など工事に関する注意事項が書いてあります。
「蛍光灯の交換ならいつもやっているから頼まなくてもできるよ」と思われる方もいるかもしれませんが、
この工事とは単純に蛍光灯を取り換えるだけの工事のことではありません。

※ちなみに直管蛍光灯型LED・LED蛍光灯・直管LEDランプ・直管型LEDランプ は同じ製品を指しています。
※名前が統一されていないので紛らわしいですが直管LEDランプが一般的な呼び名だと思っています。

バイパス工事

これらの工事は蛍光灯が使用している安定器の取り外しを行う工事のことを言います。
この工事のことを、一般的にはバイパス工事、または電源直結工事と呼ばれています。

蛍光灯はすべての器具に安定器という装置が備わっています。
グロータイプ・ラピッドスタートタイプ・インバータータイプ、詳細な動作は異なりますが、
必ず安定器はすべての器具に搭載されています。

この安定器は蛍光灯を発光、明かりを安定化させるために動作ために必要な装置なのですが
LEDを発光する際にはこの安定器は全く必要ありません。

LEDは直流素子ですので、通常は交流を直流に変換する電源部が必要になりますが、(AC-DCアダプターのようなもの)
現在は電源部をランプ内部に搭載している直管LEDランプ(電源内蔵型)が多く販売されています。
電源内蔵型は100Vまたは200Vの電圧をランプに直接印加(電圧をかける)することで点灯しますので
バイパス工事にて安定器を取り外し、LEDランプに対応する配線に変更する工事を行います。

※安定器は回路的に取り外せば問題ありません。物理的に取り外す必要はありません。通常は器具内に残置します。
※電源部外付けタイプのLEDランプの場合は安定器を物理的に取り外し、専用の外付け電源を取り付け配線工事を行います。

弊社では主に電源内蔵型のランプを取り扱っておりますので
以降、電源内蔵型についてご説明いたします。

安定器を取り外さない工事不要の直管LEDランプも販売されておりますが、
弊社ではあまりオススメしておりません。詳しくは後述致します。

※照明器具をバイパス工事することによりメーカーの保証が受けられなくなります。
ただし安定器交換も照明器具改造とみなされ同様にメーカーの保証が受けられなくなります。
バイパス工事も安定器交換もメーカー保証外となります。
東芝ライテック 安定器の交換について こちら

直管LEDランプ(電源内蔵型)ごとに異なるバイパス工事

 バイパス工事の方法は直管LEDランプの種類によって複数あります。
 どの方法でバイパス工事を行うかは製品によって異なりますので、工事を行う前には必ずメーカに確認をとる必要があります。
 現在確認されるバイパス方法は主に以下の5種類の方法があります。

 1.片側給電方式
 2.両側給電(片ピン接続)方式
 3.両側給電(両ピン接続)方式
 4.両側給電(片側給電ダブル)方式
 5.その他特殊な例  

 ※注)2015/6 1~3の呼び名を一般的なものに変えました。4は新しい方式なので名前を付けました。

1.片側給電方式 ※多くのメーカーが採用しています。

 1の片側給電方式は、直管LEDランプの片側のピンにそれぞれ+-の電圧を印加する方法です。
 (交流なので正確には+-ではなく、L,N(100Vの場合)で表します。しかし電源内蔵の場合は極性はどちらでもいい場合が多いです。)

2.両側給電(片ピン接続)方式 ※昔は主流でしたが、今は減ってきています

 2の両側給電(片ピン接続)方式は、直管LEDランプの片側の1ピンに+(L)、もう片側の1ピンに-(N)を印加する方法です。

3.両側給電(両ピン接続)方式 ※アイリスオーヤマなど一部メーカーにて採用

直管LEDランプの片側の両ピンに+(L)、もう片側の両ピンに-(N)を印加する方法です。

※110型の両側給電は注意が必要。
一見、両側給電③に見える場合でも片側給電ダブル④の場合があります。
2つの方式は電気的に全く異なる接続方式となります。誤った方式のランプを接続すると回路のショートなどが発生する可能性があります。

4.両側給電(片側給電ダブル)方式 ※110形で使用する場合があります。
 片側+-(NL)。反対側にも+-(NL)を印加する方式。片側給電を両口金に配線しています。
 一見、両側給電と似ていますが、給電は片側ソケットで独立しているので電気的には全く異なる配線となります。
 110型で採用することがあります。40型ではあまり採用されていないようです。

※110型の両側給電は注意が必要。
一見、片側給電ダブル④に見える場合でも両側給電③の場合があります。
2つの方式は電気的に全く異なる接続方式となります。誤った方式のランプを接続すると回路のショートなどが発生する可能性があります。

(5)特殊な例 片側給電 (オーデリックやフィリップス)

電圧は片側給電ですが、配線は両側給電片ピンに配線をし、あまった片ピンを短絡させます。
これによりランプの向きを問わず取り付けることができるようになります。


直管LEDランプのバイパス工事はこの5つの中のランプに適した工事を行う必要があります。
この工事を電気工事士による工事と呼んでいるのです。

照明器具を改造することになりますので、本来のメーカーの保証は受けられなくなりますが。
照明器具の一番の不安要素である安定器を回路から切り離すことができますので、
その後も問題なく安全に使用する事ができます。
(ソケットの老朽化が激しい場合は、ランプ落下の可能性があるので注意)

正しい方法で工事を行わないと、感電の危険や、器具の破損の危険性がありますので、
必ず電気工事士の資格を持った方が作業を行います。
これは法律で決められていることですので必ず守るようにお願いいたします。

ちなみに現在一番多く流通している製品は片側給電方式のタイプのように思えます。

一度LEDは装着してしまえば頻繁に交換することはありませんが、
なにかの不具合で新しいLEDに交換する必要が発生した場合は
製品の種類の多い片側給電方式でバイパス工事を行っておけば、今後の選択の幅は広がります。

バイパス工事のメリットと注意事項は?

上記バイパス工事をしてLEDを導入することのメリットは
既存照明器具が使用できるので、器具ごと交換するよりも導入費用が安くできる点です。

通常の照明のリニューアルの場合、今ある照明器具を撤去して新しい照明器具を取り付けます。
器具が新しくなってとてもきれいにリニューアルを行うことができますが、
一方、大量の照明器具の廃棄物が発生してしまうという側面もあります。

環境のためにLEDにするのに、大量の廃棄物を排出するのでは
本末転倒と考える方もいらっしゃると思います。

その点、直管LEDランプは照明器具を再利用して利用することができるので、
環境面でエコロジーなLED照明といえることができると思います。

安定器はバイパス工事により使用しませんので、
古い安定器特有の音(ブーン・ジジジジという不快音)がしなくなり、
安定器故障による影響は受けません。

なお、照明器具のバイパス工事後は一般の蛍光灯は取り付けることができません。
工事後にLED専用器具になった旨を表すシールなどを貼り誤って蛍光灯を取り付けないように明示することが必要です。

既存器具を使用することによる注意事項としてあげられる点としては、ランプの落下に関する問題です。
LEDランプは蛍光灯よりもすこし重いのですが、500g以下のものを選ぶようにします。(40型の場合)
500gはG13ソケットの規格で決まっている重量で、これ以上の重量のものは規格外となり落下の可能性が高くなります。
※最近は蛍光ランプとあまり重さが変わらない300g以下のランプもあります。

落下事故を防ぐために、ソケットに破損がなく、ランプの支持に問題がないことを確認することが必要です。
ソケットが汚れている場合は布などで拭き取りヒビなどによる破損がないか目視で確認します。
またランプ取り付け時に軽く揺さぶったりして落下しないことを確認してください。
この時ソケットに問題があるようであれば、ソケットの交換など検討が必要です。

110Wの大きなランプは落下防止パーツの取り付けの検討が必要です。
40Wの場合は防止落下金具とはいかずとも、
仮にソケットから外れても下に落下しないような補助対策を行うことは可能です。
たとえばこのような方法があります。

※ランプの外装にガラスではなくポリカーボネートという素材を使用しているものは
万が一落下しても飛び散りなどを防ぐことができます。

上記内容をまとめると、

●バイパス工事によるメリットは

・照明器具を再利用できるので少ない投資でLED化することができる
・リニューアルの際にゴミを最小限に抑えることができるので、エコロジーであり、経済的である
・安定器の壊れた器具(壊れてはいないが騒音を発する器具)でもソケットに問題がなければLED化可能。

●デメリットは

・バイパス工事後は元の蛍光灯を使用することができなくなる。(LED工事済みであることを明示する必要がある)
・取り付け時にソケットに破損がないか確認して、取り付け可能かどうか確認する必要がある。
 (場合によっては落下防止策をおこなう)

となります。

LED化するにあたり照明器具を交換するという選択肢も、もちろんあります。

蛍光灯器具が古い、または破損している。もしくは照明器具毎交換して見た目もリニューアルしたいということであれば
照明器具の交換によるLED化が可能です。
今は直管蛍光灯タイプから進化した新しいタイプのLEDベースライトが主流となっております。
直管タイプと同様の明るさと配光ですが、器具の厚みが薄く天井の見た目がすっきりします。

公共事業での採用も増えており、今後のスタンダードになることは間違いありません。
※すでにスタンダードになりました。新たに取り付ける照明器具はこのスタイルです。

器具交換の注意点としては照明器具の大きさが変わっている可能性があるので、連結器具などはサイズの確認が必要です。
また天井から吊ボルトで照明器具を支持している場合、天井から出ているボルトの長さが長くてバーが収まらないことがあります。
多くの場合現場ではこれに当てはまることが多いです。(※ビス止めの場合は関係ありません)
その場合は吊ボルトの長さ調整が必要です。従来型の逆富士に比べるとだいぶ器具が薄くなっています。

器具交換時には大量の埃やすすや、虫の死骸などが落下しますので
養生をきちんと行ってから作業をすることをお勧めいたします。
撤去した照明器具は産業廃棄物となりますので適正な方法で処分を行う必要があります。

Panasonic iDシリーズ
・遠藤照明SolidTube など

今では新規に配線をすることなく簡単に調光できるタイプの照明器具もございますので
全面リニューアルをするには器具交換も良い方法かと思います。

工事不要の直管LEDランプとは

最近、工事不要のLEDランプがたくさん発表されています。
先程お話したように、
本来LEDランプを使用するには安定器を取り外しLEDに適した配線に変更する工事が必要になりますが、
この工事をしなくても、今の安定器を経由したままで使用できるランプが工事不要の直管LEDランプです。

工事不要の直管LEDランプで一番懸念される事項は、安定器をそのまま使い続けることにあります。

安定器が接続されたままの場合、以下のような問題点があります。
以下は工事不要LEDランプを使用する際のメリット・デメリットです。

●メリット
1、導入時の初期投資費用を節約(工事費用の節約)を行うことができる
2、工事をしていないので、従来の蛍光灯に戻すことができる(賃貸オフィスなどでは有効)

●デメリット

1、安定器が余分な電力を使用している。
   LEDランプには安定器は不要です。不要なのにLED電球1個分くらい(5W程)の電力を消費しています。
省エネなLEDを導入しても、安定器の消費電力がランニングコストに大きな影響を与えます。 

2、安定器の寿命と安全性のリスク
   従来の蛍光灯の場合、安定器が不良になると、異音を発したり点灯に影響が発生しますが、
   LEDランプの場合は安定器に不具合が発生してもそのまま点灯してしまう可能性があります。
   そのため故障に気がつかずに使用し続け、最終的には安定器が発火する恐れがあります。
   安定器故障時の動作が予想できない状態で利用し続けるにはリスクがあります。
 新たな安全性の問題が発生する可能性があります。

3、安定器が完全に壊れた場合、LEDランプは正常でも点灯しなくなる。
   寿命の長いLEDランプですが、安定器が完全に壊れてしまえばLEDランプは点灯しません。
   LEDを検討されるお客様はすでに照明器具を10年以上使用しているお客様が多いです。
   LEDにしたからと言って安定器の延命が行える訳ではありませんので、いつ壊れるか予想はできません。
   
いつかは電気工事が必要となります。場合によってはLEDを別の製品に交換しなければいけないかもしれません。

   工事不要型の言う長寿命は、”安定器が壊れなければ”という条件付きのLEDとなります。

4、工事タイプのランプに比べ電源回りの回路が複雑になるため、電源部の寿命がLEDの長寿命に影響を与える可能性があります。
  電源部故障による不点は工事タイプも工事不要タイプも同じことが言えますが、回路の複雑さによる故障率の影響がないとは言えません。

5、様々なタイプがあり、取り付ける器具に適応したランプを選択することが困難。間違えると火災事故につながるケースも。

  ・グロー型のみ対応
  ・銅鉄式安定器グロー・ラピッドのみ対応
  ・インバーターのみ対応
  ・スイッチでFL,FLR切り替えを行う必要があるもの
  ・安定器のメーカー指定があるもの

  どのタイプの直管LEDを使用したらいいか、分かりますでしょうか?
  専門家でないお客様では判断が難しいのではないでしょうか?
  またすべての照明器具の安定器型番を把握していますか?
  過去に安定器故障により安定器の交換はしていませんか?
  交換時に銅鉄からインバータになってたりしませんか?(特にFLRのランプを使用している場合)
  ランプフリーという、どの蛍光管でも点灯できる器具もあります。
  いま使用している蛍光管の型番だけで安定器の種類を判断できません。

  誤った使用法により、発火などの事故が発生する可能性があります。
あかりがついたからOKではありません。十分に注意が必要です。

6、責任の所在が不透明。

  工事不要LEDを使用した際、安定器が原因で事故が発生した場合、既存の照明器具メーカーは責任を取ってくれません。
  (バイパス工事をした照明器具も責任を持ってくれませんが、安定器を使用しないのでそもそも安定器事故は発生しません。)
  では工事不要型LEDを販売しているメーカーはどこまで責任を取ってくれるでしょうか?
  ランプ本体に起因する事故はメーカーに責任があると思いますが、安定器の事故は責任を取ってくれない可能性が高いです。

結果、工事不要型LEDを導入した際の”安定器を使い続ける責任”は、お客様にあると言うことになります。
  これは安定器を新品に交換したとしても同様です。

※照明器具をバイパス工事することによりメーカーの保証が受けられなくなります。
ただし安定器交換も照明器具改造とみなされ同様にメーカーの保証が受けられなくなります。
バイパス工事も安定器交換もメーカー保証外となります。
東芝ライテック 安定器の交換について こちら

バイパス工事はLED導入の初期投資費用として工事費用が発生いたしますが、
後々のランニングコストと安全性を考えると、バイパス工事せず古い安定器を使い続けるリスクは大きいと考えています。
安定器が壊れたらバイパスを工事をするという選択もあり得ますが、(ただし両方に対応しているランプの場合に限る)
安定器のバイパス工事の有無を管理する必要があり、後々の照明器具の管理が煩雑になるでしょう。

工事不要というメリット・デメリットをメーカーがあまり説明していないのでこの場をお借りしてご説明させていただきました。

オフィスが賃貸で器具の工事を行うことができない場合は、工事不要LEDランプで代用するのも
1つの方法かとは思いますが、あまりオススメは致しません。
安全かつ効率的に省エネを行うには、ビルオーナーなどにお話をしていただいて
器具のバイパス工事、あるいは照明器具の交換を行うことをお勧めいたします。

ご参考にこちらのページの動画もご覧下さい

直管形LEDランプの間違った接続にご注意を!

まとめ

長々と文章を書かせていただきましたが直管LEDについて、まとめさせていただくと、
工事不要型は、工事費用がかからずにリーズナブルに導入が可能ではありますが様々問題がございます。
誤った取り付け方法による事故の発生。安定器の余分な電力消費、安定器故障による不点灯の可能性、責任の所在など。

上記の内容から、工事型で安定器を取りはずす製品をお勧めいたします。
工事費用はかかりますが、こちらのほうが安全で省エネ性能を十分に発揮できます。

※バイパス工事が必要な直管LEDランプは、安全性は確保できるとはいえ、
残念ながら電気用品安全法PSEマークの適用対象とはなっておりません。
この点が心配な場合にはPSEマークの試験が義務付けられているLED照明器具に交換することをお勧めいたします。

また、できれば長期(3年~5年)の保証があり、
照明または家電業界で実績のある、メーカーの製品を選ぶことをお勧めします。
(メーカー不明な製品や出所不明のOEM製品などは避ける)
LED照明は蛍光灯のような消耗品ではなく、非常に寿命の長い製品です。
仮に故障してしまった場合にきちんと保証してくれるメーカーであれば、万が一のことがあっても、とても安心です。
上記のメーカーであればサポートセンターがあり、トラブル対応にも柔軟に対応してもらえます。

保証がない、保証が1年程度では、故障してしまった場合に負担をするのはお客様です。
安い製品を選択したばかりにすぐに故障ししかも保証もなく、
すべてお客様の負担で修理交換をしなければいけないことも十分あり得ます。

電気製品である以上、初期不良や故障のリスクは0ではありません。
初期不良が発生した時にもメーカーの対応が問われます。

LED照明は従来の蛍光灯とは違い消耗品の使い捨てではございません。
10年使用することを考えて、正しい製品選びをしていただければと考えております。